【学び】発達段階と発達の機会づくりから子どもの育ちを支える

先日 県立あおば養護学校主催による「MEPA-R・MEPA-IIRの実施と活用について」の研修会に参加させていただきました。
生まれたときは不随意による反射運動が多いが、少しずつ随意運動ができるようになり、また動くことで外界に踏み出していく。例えば、3歳になれば「ピーっと音を聞いたら座る」というように、音という知覚を運動に重ねることができる、5歳になれば「蝶になって動いてごらん」など、概念を運動に重ねることができるようになる。というように人間は、感覚と運動が相互に作用し、経験が加わりながら段階を追って発達していくというムーブメント教育療法という発達理論をもとに、客観的なアセスメント(成長指標)として作られたのが「MEPA-R/IIR(メパアール/アールツー)」です。
アセスメントの内容は、転ばないで歩くとか片足たちができる、声を立てて笑う、色がわかるなど、身体運動から認知発達機能についての細かなチェック項目で構成されます。
養育者にとって観察は必須の行動ですが、養育者の主観的観察に加え、こうした客観的なアセスメントを用いることで、より多様な視点で育ちを支援することができると言います。
アセスメントの役割は、現状を見えやすくして、養育の方針を立てやすくすること、また点検対策につなげることにあります。
ADHDやダウン症、また肢体不自由との重複障害などのお子さんの傾向も見えやすくなっています。
例えば、アセスメント結果の棒グラフは、対象となる子どもの強みと弱みが一眼でわかり、強みを活かしながら、弱みにアプローチするようなプログラム〜たとえば、運動機能が弱みだけれど、社会性が強みになるお子さんの場合には、集団での身体運動を取り入れたプログラムを試すなど。そして定点観測で育ちの進度も見える化できます。
もちろんできるようになることがゴールということではなく、機会を得たことで潜在力が現れる、それも本人の主体的な動きにつなげるという基本がアセスメントを使う点で忘れてはいけない点です。
私は障害のあるお子さんの通所サービスのスタッフとして、子どもたちが楽しく自分らしく過ごしてほしいといつも思っていますが、「楽しませよう」では自分が主体、やはり子どもたちの発達段階に合うような「自ら楽しめる機会」をどうつくろうかという
狙いをしっかりと持つ必要があると改めて思いました。
障害のあるなしに関わらず、子どもの発達について地域の理解が広がることで、
地域ぐるみの養護や教育につながります。
今後もこのテーマに注目しながら、活動していきたいと考えています。